奈良市の婦人科・子宮がん検診・美容皮膚科  ストレス外来・栄養療法

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発達障害とは

 「発達障害」は、2005年に施行された発達障害者支援法において、「自閉症アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害学習障害注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。

自閉症スペクトラム(ASD:Autistic Spectrum Disorder)】

 また、自閉症スペクトラムという概念は、現在の国際的診断基準の診断カテゴリーである広汎性発達障害(PDD)とほぼ同じ疾患群を指しており、自閉症アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害を含みます。これらは別々な疾患ではなく自閉症スペクトラムという連続体としての概念で考えられるようになってきました。典型的には、@対人関係の質的障害、Aコミュニケーションの質的障害、B興味や行動の偏り(特定のこだわり)の3つの障害をもち、多動、感覚異常、睡眠障害などの付随症状と呼ばれる様々な症状を認めます。

学習障害(LD:Learning Disabilities or Learning Disorders)】

 学習障害は、基本的には全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く話す読む書く計算する推論するなどの特定の能力を習得したり、使用したりすることに著しい困難がある状態をいいます。ADHDや自閉症などを伴う場合には、それらを考慮した家庭・学校・医療関係者の連携による学習支援も必要となります。

注意欠陥多動性障害(ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)】

 ADHDは、注意力の欠如、あるいは発達年齢や発達レベルに見合わない多動性衝動性を特徴とする発達障害の概念のひとつです。これらの症状は通常7歳頃までにあらわれ、家庭や学校生活でさまざまな困難をきたすことが多く、薬物療法や環境・行動への介入が行われています。

この後は、発達障害のうち代表的な自閉症を例に話をすすめていきます。

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自閉症の現状

 近年、自閉症は爆発的に増加しています。その増加がいかに早いかを示すデータとして、米国ではかつて1万人に1人とされていた自閉症ですが、米疾病管理センターによれば、2008年時点で88人に1人の子供が、2010年時点で68人に1人の子供が自閉症スペクトラム(自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害を含む疾患群)であると診断されており、2年間で約30%も増加しています。

 日本でも厚生労働省の発表によると最近では約100人に1〜2人が自閉症スペクトラムであると報告されています。自閉症をはじめとした発達障害は、確実に、しかも急激な勢いで増加しています。

 日本では、自閉症は脳の機能障害であり根本的な治療は不可能とされており、療育・教育を中心に個々人に適切な支援をしていき、場合によって症状や合併症に対して薬物療法を併用する治療が行われています。

 以下は厚生労働省のホームページから抜粋したものです。

【自閉症の原因】
自閉症の原因はまだ特定されていませんが、多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる、生まれつきの脳の機能障害が原因と考えられています。胎内環境や周産期のトラブルなども、関係している可能性があります。親の育て方が原因ではありません。

【自閉症の治療】
現代の医学では自閉症の根本的な原因を治療する事はまだ不可能ですが、彼らは独特の仕方で物事を学んでいくので、個々の発達ペースに沿った療育・教育的な対応が必要となります。かんしゃくや多動・こだわりなど、個別の症状は薬によって軽減する場合があります。信頼できる専門家のアドバイスをもとに状態を正しく理解し、個々のニーズに合った適切な支援につなげていく必要があります。乳幼児期から始まる家庭療育・学校教育そして就労支援へと、ライフステージを通じたサポートが、生活を安定したものにすると考えられています。

 一方、米国では日本に比べて自閉症の患者数が圧倒的に多く、自閉症の治療機関や患者団体が多数存在します。自閉症の治療に関しても日本と米国とでは大分情報量に差があります。それに加えて、近年、遺伝子解析の技術が急速に進歩し、特に小児発達障害の分野で、遺伝子多型・変異による酵素活性の低下を補う栄養療法、Nutrigenomics(ニュートリジェノミクス:遺伝子栄養学)が注目されています。
 そして現在では、自閉症は単因子疾患ではなく、下記の要因などが複合して発症する多因子疾患ではないかと言われています。

@遺伝子多型・変異によるメチレーション障害をはじめとした生化学的経路の障害
A神経毒(興奮毒性)によるダメージ
Bウイルスや細菌、真菌などによる慢性微生物感染
C有害ミネラル(重金属)の体内蓄積
Dストレス等その他の要因

 単一の原因では発症しないものが、これら複数の要因が重なることで腸内環境の悪化解毒・代謝機能の異常中枢神経系の炎症などを来し、その結果、発達の遅延やその他様々な症状を引き起こすのではないかと言われています。

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自閉症の治療

 当院では現在の日本における発達障害のスタンダードな治療・サポートとは違った、栄養療法(OrthomolecularMedicine分子栄養学・Nutrigenomics遺伝子栄養学)の立場から発達の遅延やその他の症状の改善にアプローチしていきます。そのためには、海外で、小児発達障害の分野で有用とされる「遺伝子多型検査」や「有機酸検査」などの生物学的な検査の解析が必要となるため、すべて保険外診療(自費診療)となります。

 もちろん、従来の療育教育的な対応や個々のニーズに合った適切な支援を否定する訳ではなく、むしろ、二次的な障害を防ぐためには欠かせないサポートであると考えます。現在受けられているそれらのサポートは継続してもらいつつ、さらに、栄養学的アプローチによって少しでも症状の改善が図れればと考えています。

 当院では治療に対して、上記の発症因子を考慮して検査を行います。その結果を基に下記の観点で栄養素や機能性食品を用いて治療を進めます。
@「悪化した腸内環境の改善」(腸管サポート)
A「有害物質の解毒代謝能の改善」(肝臓サポート)
B「エネルギー産生のサポート」(ミトコンドリアサポート)
C「脳神経系の炎症を抑えるアプローチ」(脳神経サポート)

 治療を進めるうえで、まずはじめに、悪化した腸内環境を改善腸管粘膜の炎症を抑える必要があります。そのためには栄養素や機能性食品の補充に加えて、食事の内容を様々な形で工夫することが必要となります。

 例えば、お菓子など甘いものや添加物、食物アレルギーの原因となる食物は子供の未熟な腸内環境を悪化させます。そのため、これらを食事から除去し腸を休める必要があります。その間に栄養素や機能性食品によって腸内環境の改善を図ります。

その他食事に関して、興奮毒性有害ミネラル血糖の変動などに注意した食事指導を行いながら、下記の3つのプログラムを利用して、上記4つのサポートを進めていきます。
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「メチレーション」と「ニュートリジェノミクス」

準備中

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遺伝子多型・変異

準備中

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神経毒(興奮毒性)によるダメージ

 神経毒とは神経細胞(ニューロン,neuron)に特異的に作用する毒性物質のことであり、体内で作られる神経毒性物質を内因性神経毒と呼びます。脳内で神経毒性を示す最も重要な物質がグルタミン酸です。

 グルタミン酸は非常に重要な興奮性の神経伝達物質であり、記憶学習など脳の高次機能において重要な役割を担っています。その一方で、ニューロンに細胞死をもたらす内因性の神経毒興奮毒性)としての性質を持ちます。

 ニューロン周囲(細胞外)のグルタミン酸が適正濃度であれば興奮性の神経伝達物質として作用し、記憶学習に重要な役割を果たします。
 しかし、細胞外グルタミン酸濃度が上昇すると、グルタミン酸受容体の過剰な活性化により興奮毒性と呼ばれる神経細胞障害作用が強くなり、興奮性が亢進します。
 その場合、通常であれば、GAD(Glutamic acid decarboxylase:グルタミン酸デカルボキシラーゼ)という酵素の働きによってグルタミン酸は抑制性の神経伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸,gamma-aminobutyric acid)と二酸化炭素に分解され、興奮は鎮静化するのですが、何らかの原因でグルタミン酸からGABAへの変換が阻害されると興奮性の亢進が持続し興奮毒性の影響が深刻化します。

 自閉症の場合にも、遺伝子の多型・変異、水銀・鉛などの過剰蓄積、慢性ウイルス感染、GADの補酵素であるビタミンB6の欠乏など、様々な原因によって、このグルタミン酸からGABAへの変換が阻害されている例を認めます。
 興奮性が亢進することで「繰り返し行動」や「多動」などの症状を認めたり、GABAの濃度が低下することで「発語の喪失」をもたらし、「消化管の機能が低下」します。
 自閉症以外でも、統合失調症やうつ病、強迫性障害などでも同様にグルタミン酸の興奮毒性の亢進を認めます。

 グルタミン酸とGABAの適正なバランスを保つには、興奮毒性の亢進リスクとなるグルタミン酸塩アスパラギン酸塩を含む食べ物や添加物をできるだけ食事から避けると同時に、グルタミン酸からGABAへの変換を阻害する要因に対してアプローチが必要となります。

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有害ミネラル(重金属)の体内蓄積

 人間は毎日、酸素や水、必要な栄養素などを摂取する一方で、水銀や鉛など有害なミネラル(主に重金属)を身体に取り込んでしまいます。人間は本来、それら有害ミネラルを便や尿、汗、毛髪、爪などから体外へ排泄する能力を持っています。
 しかし、排泄する以上に取り込んでしまったり、もともと排泄する機能自体が低下していたりすると有害ミネラルが体内に蓄積し様々な神経症状を来します。

 特に自閉症を発症する子供の多くは、有害ミネラルの排泄に問題をかかえています。子供の脳神経系の発達は極めて早く、5歳までにその8割が完成するため、この時期に水銀や鉛、ヒ素、カドミウム、アルミニウムなどの有害ミネラルに暴露することは、脳に重大な影響をもたらし発達課題への到達に障害となります。

 また、鉄や亜鉛などの必須ミネラルが不足して、水銀や鉛などの有害ミネラルが過剰になると、本来必須ミネラルが作用するべきところに有害ミネラルが居座ってしまい、正常な代謝を阻害してしまいます。反対に、必須ミネラルが体内に必要量存在することで有害ミネラルの体外排出を後押しすることにつながります。

 そのため、体内に取り込んで蓄積している有害ミネラルの影響を避けるには、至適量の必須ミネラル有害ミネラルの排泄を促進する栄養素の補充が必要となります。

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腸内環境の悪化

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