奈良市の婦人科・子宮がん検診・美容皮膚科  ストレス外来・栄養療法

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第二の脳

 私たちの腸は全長で約9mもあり、そのうちの約7mを小腸が占めます。小腸の粘膜のひだを拡げるとテニスコート約1面分もあり、そこで、栄養を吸収したり、病原菌の侵入を防いだりしています。

 また、小腸には約1億個の神経細胞が存在し、そのほとんどが脳からの指令なしに独自の命令を出しており、「第二の脳」と呼ばれています。

 一方、大腸では、小腸で栄養吸収が済んだ食べカスから水分を吸収し、便として整える働きをします。

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腸内フローラ

 私たちの腸内には、人間の細胞の数(約60兆個)よりはるかに多い、約1000種100兆個の多種多様な細菌が種ごとに集まって棲んでいます。その様子をお花畑になぞらえて腸内フローラと呼んでいます。免疫力の70%はこれら腸内細菌に依存しているといわれています。
 また、幸福感をもたらすセロトニンや、やる気を起こすドーパミンがつくられる過程では腸内細菌が重要な役割を担っており、腸内環境が乱れると、これらの神経伝達物質の産生が低下します。

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善玉菌vs悪玉菌

 腸内の細菌は、人体に良い作用をもたらす「善玉菌」、悪い作用をもたらす「悪玉菌」、体調によってどちらにもなりうる「日和見菌」で構成されています。それぞれの数や割合は人によって異なり、また同じ人でもストレス食生活加齢服薬などで変化します。

 悪玉菌には大腸菌、クレブシエラ、ウェルシュ菌などがありますが、タンパク質を腐敗させて有害物質を発生させるため様々な病気の原因となります。
 善玉菌といえば乳酸菌が代表的で、その中にはビフィズス菌乳酸桿菌などが含まれます。乳酸菌は糖類から乳酸などを生成し腸内を酸性にすることで悪玉菌の増殖を抑え、また、悪玉菌が発生させた有害物質を中和します。

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腸内フローラと加齢性変化

 母体中で過ごす胎児の腸は無菌状態です。出生直後の新生児の腸では大腸菌が優勢ですが生後3〜4日で急速にビフィズス菌優勢に置き換わります。

 ビフィズス菌は40歳を過ぎると減少し始め老年期には激減します。同時に腐敗菌である大腸菌やクロストリジウムなどが激増するため、年齢と共に腸内環境が悪化していきます。

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腸内フローラが乱れる原因

 私たちの身体の免疫細胞の約70%は「」に集まっており、人体最大の免疫器官と言われています。

 健康なときには善玉菌が悪玉菌を抑えるかたちでバランスが保たれていますが、加齢ストレス偏食栄養欠損など様々な原因で悪玉菌が増加し腸管免疫が低下します。

 その結果、腸内では腐敗が進んで有害物質が発生します。それらが腸壁から吸収され全身をめぐり皮膚や臓器に悪い影響を及ぼし、がんをはじめとする生活習慣病自己免疫疾患精神疾患老化など様々な病気の原因となります。

 また、腸の粘膜が障害され、病原菌などが血液に侵入しやすくなり感染症に罹りやすくなります。そして、本来なら吸収されるはずのない分子量の大きなタンパク質(ペプチド)などが腸粘膜から吸収されやすくなり、これがアレルゲンとなりアレルギー症状を引き起こしやすくなります。

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ストレスによる消化管障害

 消化管は強いストレスを受けると、「消化・吸収能」「腸内細菌との共生」「粘膜によるバリア機能」「免疫機能」の4つの機能が障害されます。

つまり、強いストレス負荷がかかると、
@胃酸の分泌や消化酵素が減少するため消化不良となり
A未消化の食べ物が腸内で異常発酵(小腸内で細菌が異常増殖)し
B腸内フローラのバランスを崩します(善玉菌減少・悪玉菌増加
C悪玉菌が増殖すると発がん物質やその他有害物質の産生が増加
Dその結果、腸の粘膜バリアが障害され腸粘膜から異物が侵入
Eアレルギー反応で腸管に炎症が拡がり腸管免疫が低下します。

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全身の健康は消化管から

腸管免疫の低下は、便秘、肌荒れ、など日常よく見られる症状から、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息などのアレルギー疾患、うつ病、自閉症などの精神疾患、膠原病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患にも大きく影響すると言われています。

身体の免疫の約70%は腸が担っているため、腸管免疫が低下することで体全体の免疫力が低下し、内分泌系(ホルモン)や自律神経系に影響を与え、体の内部環境を一定の状態に保つホメオスタシス(生体恒常性)が維持できなくなり様々な病気の発症につながります。

つまり、腸の健康を保つことが全身の健康を保つことにつながるのです。それにはまず、腸内フローラのバランスを整えることが大切です。

当院では、腸内フローラのバランスを整えるための腸内環境改善プログラムをご用意しております。病気の予防から治療まで、一人ひとりの身体に合ったプログラムを作成し病気を予防・治療します。

口腔環境と全身疾患