腸内の真菌や病原性細菌は、抗真菌薬や抗菌薬によって死滅するときに有害な代謝産物を放出します。最終的には肝臓で代謝され尿や胆汁酸とともに排泄されるのですが、それまでの間、腸管内を蔓延したり、血液によって全身に運ばれたりすることで、身体に様々な悪い影響を及ぼします。これを死滅反応と呼びます。
もともと腸内フローラのバランスが崩れていると消化管に炎症を呈しやすく、消化管のバリア機能が破綻して透過性が亢進します。このような場合、死滅反応は起きやすいです。
症状としては、発熱、頭痛、倦怠感、腹部膨満感、嘔気・嘔吐、便秘・下痢、湿疹、痛みなどを呈することが多いです。
タンパクを分解するプロテアーゼや食物繊維を分解するセルラーゼなどの消化酵素にはカンジダ菌や有害細菌の細胞壁を分解する作用があるので、上記のような場合、服用後、一時的に死滅反応がみられることがあります。カンジダ菌などが減少することは良いことですが、上記症状が強い場合や数週間しても症状が改善しないケースは一旦消化酵素の服用を中止し、消化管の抗炎症治療、バリア機能の修復を優先した方が良い場合もあります。