@消化管サポートから開始します。
腸内環境改善プログラムに準じて、プロバイオティクス・プレバイオティクス・消化酵素の摂取から開始します。必要に応じて、カンジダやクロストリジウム・ディフィシルなど有害菌の除菌なども行いながら、消化管の健全性を取り戻し、栄養素の吸収率を上げます。
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この3つのサポートは、ほぼ同時に進めていきますが、それぞれの症状や状況に合わせてアレンジしていきます。
重金属サポートでは、メタロチオネインの発現量を上げて重金属(有害ミネラル)の毒性や活性酸素の影響を予防し、重金属と結合して肝臓へ運びその後の解毒代謝をサポートします。
栄養サポートでは、主に肝臓での解毒代謝のPhaseT・PhaseUを正常に機能させるために必要な栄養素を至適量補充するとともに、肝臓を保護し、本来私たちに備わっている解毒代謝能力の向上をサポートします。
抗酸化サポートでは、体内のグルタチオンの発現量を上げるのに役立つ栄養素を中心に用いることでことで解毒代謝の正常化をサポートします。
いずれのサポートもキレーション(※)などと比べると生体異物の排泄スピードは緩やかですが、生体内解毒物質であるメタロチオネインやグルタチオンの発現量アップ、肝解毒能の栄養サポート、消化管の機能改善など、ホメオスタシス(生体恒常性)のサポートが中心となるため、身体にかける負担が少なく、より安全に本来の解毒能を向上させることができます。
※当院では、DMPS,DMSA,EDTA等によるキレーション治療はしておりません
消化管サポート
生体異物が身体に取り込まれると、それを一番最初に代謝するのが消化管であり、肝臓で無毒化・水溶化されて胆汁中に放出された生体異物を便として排泄するのも消化管です。
消化管、特に小腸の機能が正常でなければ栄養素の吸収率が下がり身体に必要な原材料が揃わなくなります。解毒のために様々な栄養素を摂取しても、消化管の機能が健全でなければ、それはザルに水を注ぐようなものであり、治療効率が著しく下がります。
そのため、解毒代謝の正常化には、肝臓へのアプローチを始める前に、まず消化管機能の改善が必須となります。
消化管サポートは基本的に腸内環境改善プログラムに準じて行います。プロバイオティクス・プレバイオティクス・消化酵素の摂取から開始して、必要に応じて、カンジダやクロストリジウム・ディフィシルなど有害菌の除菌なども行いながら、消化管の健全性を取り戻し、栄養素の吸収率を上げます。
重金属サポート
前述のように、生体異物である重金属(有害ミネラル)が体内に蓄積がすることで、様々な健康障害を引き起こします。これら重金属の解毒・排泄に、「メタロチオネイン」というタンパク質がとても重要な働きをします。
メタロチオネイン(metallothionein)とは、生体内にある金属結合性のタンパク質で、分子内に10個前後の重金属イオン(有害ミネラル)を結合することができ、必須ミネラルのバランスをとって過剰な重金属を解毒する役割を果たします。また、活性酸素の除去作用をもつ抗酸化タンパク質でもあり、重金属による活性酸素の産生に対しても高い防御能力を持っています。
重金属サポートでは、メタロチオネインの発現量を上げて重金属(有害ミネラル)の毒性や活性酸素の影響を予防し、増加したメタロチオネインが重金属と結合して肝臓へ運ぶことでその後の解毒代謝をサポートします。
栄養サポート
肝解毒代謝のPhaseTで、シトクロムP450による酵素反応が正常に機能するためには、主に、ビタミンB群(特に、B2,ナイアシン,B6,B12,葉酸)、タンパク質、必須ミネラル(特にマグネシウム)などの栄養素が必要となります。
PhaseUで、グルクロン酸やグルタチオン、グリシン、硫酸などによる抱合反応が正常に機能するためには、主に、N‐アセチルシステイン(NAC)やαリポ酸、グルタミン、グリシンなどのグルタチオン前駆物質や硫酸、MSM、にんにく、アブラナ科の野菜(ブロッコリー、キャベツ)などが必要となります。
その他、PhaseT・Uを通して、ビタミン(A,B,C,D,E)、ミネラル(亜鉛、セレン、マンガン、モリブデン)、アミノ酸(タウリン、メチオニン、カルニチン)、シリマリン、EGCG(緑茶カテキン)、フラボノイド等も必要になる栄養素です。
また、必須ミネラルと有害ミネラルは競合関係にあるものが多く、必須ミネラルが体内に十分量存在すると有害ミネラルは結合相手を見つけられず体外に排泄される傾向にあります。そのため、生体異物である有害ミネラルの排泄には必須ミネラルの十分な摂取が基本となります。
栄養サポートでは、主に肝臓での解毒代謝のPhaseT・PhaseUを正常に機能させるために必要な栄養素を至適量補充するとともに、肝臓を保護し、本来私たちに備わっている解毒代謝能力の向上をサポートします。
抗酸化サポート
生体異物である重金属(有害ミネラル)などの体内蓄積は活性酸素を増大させます。
また、PhaseTで生成された中間代謝産物は反応を起こしやすく、体内では抗酸化物質の需要が亢進します。
中間代謝産物の解毒には「グルタチオン」という物質がとても重要な働きをします。
グルタチオン(Glutathione,GSH)とは、3つのアミノ酸から成るトリペプチドで、体内に存在する抗酸化物質の一つです。自身のもつチオール基を用いて、活性酸素を還元して消去したり、中間代謝産物を抱合して体外に排出しやすくしたり、と解毒代謝に欠かせない生体内物質です。
抗酸化のアプローチとしては、ビタミンA,C,E,B群(特に、ナイアシン、パントテン酸塩)や、セレン、αリポ酸、CoQ10、N-アセチルシステイン(NAC)、EGCG、ターメリック、アブラナ科の野菜(ブロッコリー)などが有用ですが、抗酸化サポートでは、そのうち特に体内のグルタチオンの発現量を上げるのに役立つ栄養素を中心に用いることでことで解毒代謝の正常化をサポートします。