遅延型食物アレルギー検査の概要
「便秘、肌荒れが続いてる」「イライラや不安が強い」「頭痛やめまいがするが病院で何ともないと言われた」等々、理由がわからないけれど何となく体調が悪い。こういった症状が実は食べ物が原因で起こっている場合があります。
一般的に食物アレルギーとして知られているのは、IgE抗体による「即時型」の食物アレルギーで、食べ物を摂取した直後(通常30分以内)に皮膚症状(かゆみや蕁麻疹など)や呼吸器症状(喘鳴、咳など)、消化器症状(腹痛、下痢、嘔吐など)などを認めます。そして、場合によっては喉頭浮腫による窒息など命に関わることもあります。
一方、最近注目されているのは、「遅延型」の食物アレルギーです。このタイプのアレルギー反応は、IgGやIgA、免疫複合体が関与し、食べ物を摂取してから数時間〜数日後に症状が現れます。
頭痛、めまいなどの頭部症状から、抑うつ状態、睡眠障害、自閉症などの精神・神経症状、慢性便秘・下痢などの消化器症状、にきび、アトピー性皮膚炎などの皮膚症状、喘息、アレルギー性鼻炎などの呼吸器症状まで体内のあらゆる部位・器官で発症します。その他にもこちらの様な様々な症状が起こりえます。
「遅延型」は「即時型」ほど重篤な症状になることは少ないですが、症状の発現が遅いため症状と原因食物との関係がわかりにくく、原因が食物にあると認識することが困難です。そのため、原因がわからないまま何年も症状に苦しんでいる人が沢山います。
また、「遅延型」アレルギーは、好物でいつも食べているなど摂取頻度が高いものでアレルギー症状がでることが多く、中止して初めて体調が良くなっていることに気づくことも多いです。
ちえクリニックでは、上記症状の原因となりやすい 96品目の食物について遅延型食物アレルギー検査を行っています。
自分がどんな食物に対してどれくらいアレルギーがあるのか検査することで、腸内の環境がどれだけ悪いか、つまり腸管免疫の障害の程度を探っていきます。
起こりうる症状
検査項目
以下、検査対象となる96品目の食物リストです。
◆肉類
牛、鶏、鶏卵(卵黄)、鶏卵(卵白)、ラム、豚
◆乳製品
カゼイン、チェダーチーズ、カッテージチーズ、牛乳、ホエイ(乳清)、ヨーグルト
◆ナッツ・穀類
アーモンド、あずき、玄米、カシューナッツ、蕎麦、トウモロコシ、小麦グルテン、キドニー豆、緑豆(マング・ビーンズ)、オートムギ、ピーナッツ、ピスタチオ、白米、ライムギ、ゴマ、大豆、クルミ、全粒小麦、さやいんげん
◆フルーツ
リンゴ、アボカド、バナナ、網メロン、チェリー、ココナッツ、赤ブドウ、グレープフルーツ、キウイ、レモン、マンゴー、オレンジ、パパイヤ、モモ、パイナップル、いちご、スイカ
◆野菜
筍、もやし、ニガウリ、ブロッコリー、キャベツ、にんじん、カリフラワー、セロリ、きゅうり、ナス、ニンニク、ピーマン、昆布、リーキ、レタス、マッシュルーム、オリーブ(黒)、タマネギ、かぼちゃ、ほうれん草、さつまいも、トマト、じゃがいも
◆シーフード
あわび、ハマグリ、タラ、カニ、イカ、牡蠣、レッドスナッパー、サーモン、スズキ、エビ、マグロ、ホタテ貝
◆スパイス
カレーパウダー、しょうが、マスタード、黒胡椒、チリ、バニラ
◆その他
製パン用イースト、醸造用イースト、カカオ、コーヒー、蜂蜜、さとうきび、緑茶
検査結果サンプル
検査陽性の場合
検査の結果が陽性の場合、アレルギー反応を鎮静化するために原因となる食べ物の摂取を避ける必要があります。
レベル3以下の陽性反応が出た場合には、3〜6ヶ月間原因となる食べ物の摂取を4日間のローテーション化する必要があります。
ローテーション化の目的は、同じ食べ物を頻繁に摂取することを防ぐことにあります。摂取の頻度が高いとその食べ物へのアレルギー反応が悪化することがあるためです。
原因となる食べ物を制限することでアレルギー反応を抑え、腸管免疫の低下を防ぎます。
また、症状改善のためにはアレルギー食物の除去およびローテーションを行うと同時に、腸内環境改善のためのアプローチが必要になります。詳しくはこちら